
カードローンは急な出費や生活費の補填に便利ですが、高金利に悩まされている人は多くいます。正しいカードローンの知識を身に付けなければ、家計の負担は増える一方です。この記事では、カードローンの金利に関する基礎知識や金利を抑える方法、会社別の特徴を解説します。
記事を読めば、自分に合った低金利のカードローンの見つけ方がわかり、負担の少ない返済が可能です。カードローンの金利を下げるには、基礎知識を理解することが大切です。金利の仕組みを理解し、借金の負担を軽減しましょう。
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カードローンの金利に関する基礎知識

カードローンの金利は、返済の負担に大きく影響します。以下の項目に分けて基礎知識を紹介します。
- 金利とは借入金に対して発生する利息の割合
- 金利と実質年率の違い
金利とは借入金に対して発生する利息の割合
金利とは、借りた元金に対して支払う利息の割合です。カードローンを利用する際は、金利を理解する必要があります。金利は通常、年利で表示されます。年利10%の場合、1年間で元金の10%分の利息を支払う仕組みです。金利が高いほど、支払う利息の額が多くなるため注意が必要です。
カードローンの金利は、一般的に3〜18%程度で設定されていますが、借りる人の信用度や経済状況によって変動します。金利に影響を与える要因は、以下のとおりです。
- 年収や職業
- 過去の返済実績
- 借入額
- 借入期間
金利には固定金利と変動金利があり、特徴が異なります。固定金利は借入期間中に金利が変わらないため、返済計画が立てやすい点がメリットです。変動金利は市場の金利動向によって変わるため、将来的に金利が下がる可能性がある点がメリットです。
金利と実質年率の違い
金利は、借りた金額に対して支払う利息の割合を表します。実質年率は金利に加えて手数料や諸費用も含めた実際の負担率を示すため、金利よりも高いのが一般的です。実質年率を確認すると、ローンの負担を把握できます。法律では、貸金業者に実質年率の表示を義務付けています。
消費者が異なるローン商品の比較を公平に行うためです。返済方法や借入期間、複利計算、APR(※1)などの条件も異なるので、確認しましょう。金利と実質年率の差が大きいほど、隠れたコストが多い可能性があるため、注意が必要です。
※1:APR(Annual Percentage Rate:年利換算された実質金利)
カードローンの金利が決まる仕組み

カードローンの金利が決まる以下の要因を紹介します。
- 利息制限法による上限がある
- カード会社や契約者によって異なる
利息制限法による上限がある
カードローンの金利には、借り手を守るために利息制限法による上限が設けられています。利息制限法で定められている、貸付金額に応じた上限金利は以下のとおりです。
- 10万円未満:年20%
- 10万〜100万円未満:年18%
- 100万円以上:年15%
上限を超える金利は無効となり、超過分の利息は元本に充当されます。借り手は超過分の返還を請求できるので、覚えておきましょう。実際のカードローンでは、貸金業法の規制により、実質年率29.2%以下に設定されています。上限を超える金利でも、借り手が自主的に支払った場合は有効とされるため、注意してください。
金利の上限を知っておくと、不当に高い金利を請求されていないか確認できます。借入の際は、必ず金利を確認しましょう。
カード会社や契約者によって異なる
カードローンの金利は、カード会社や契約者によって異なります。各カード会社が独自の審査基準や方針を持っているためです。年収や職業、信用スコアなどの契約者の個人情報も金利に影響を与えます。安定した収入がある人や信用スコアの高い人は、比較的低い金利で借入できる可能性があります。
借入額や返済期間も金利に影響を与える要因です。一般的に、借入額が大きいほど金利が低くなる傾向があります。返済期間が長くなると、金利が高くなる場合があるので注意が必要です。以下の条件でも金利が変わる場合があります。
- 新規顧客向けの優遇金利の有無
- 既存顧客の利用実績や返済状況
- カードの種類
- キャンペーン期間中の特別金利の有無
- 担保の有無
カードローンの金利はさまざまな要因で決まります。自分に合った条件のカードローンを選ぶ際には、複数の会社を比較検討しましょう。
カードローンの金利の計算方法

カードローンの金利の計算方法を、以下の項目に分けて紹介します。
- 基本的な計算式
- 具体的な計算例
基本的な計算式
カードローンの金利計算には、いくつかの基本的な計算式があります。各計算方法を理解すると、借入額や返済期間に応じた利息や返済額の把握が可能です。計算式は以下のとおりです。
- 単利計算
- 利息=元金×金利×期間
- 複利計算
- 元利合計=元金×(1+金利)^
- 日割り計算
- 日割り利息=元金×(年利÷365)×日数
- 実質年率
- [(1+金利÷12)^12-1]×100
- 返済額計算
- 毎月返済額=借入額×(月利×(1+月利)^返済回数)÷((1+月利)^返済回数-1)
計算式を使うと、借入金額や返済期間に応じた利息や返済額の正確な計算が可能です。複雑な計算式もあるため、専用の計算機やシミュレーターを利用しましょう。
具体的な計算例
100万円を年14.5%で3年間借りた場合、毎月の返済額は約34,500円です。1回目の返済では元金約22,000円、利息約12,500円、最終回では元金約34,100円、利息約400円となります。
3年間の総返済額は約124万円になり、うち総利息額は約24万円です。金利が1%変動した場合、返済額も変わります。金利が15.5%になると、毎月の返済額は約35,000円に増加します。繰上返済を行うと利息の削減が可能です。1年後に50万円を繰上返済した場合、総利息額を約10万円削減できます。
金利の変動や返済方法によって、返済額や総利息額が大きく変わるので注意が必要です。カードローンを利用する際は金利や返済方法を検討し、自身の財務状況に合わせた計画を立てましょう。
カードローンの金利を抑える方法

カードローンの金利を抑える方法は以下のとおりです。
- 低金利のカードローンを選ぶ
- 繰上返済で利息を減らす
- 無利息期間を活用する
低金利のカードローンを選ぶ
低金利のカードローンを選ぶと、返済負担を軽減できます。金利が低ければ、借入額に対する利息が少なくなるためです。低金利のカードローンを選ぶ際は、大手銀行系がおすすめです。無利息期間や金利優遇サービスなどの条件を複数の銀行で比較しましょう。借入限度額や返済期間によって金利が異なるので、確認が必要です。
オンライン申し込みが可能な場合や保証会社・担保が不要な場合は、金利が高くなるので注意しましょう。過去の自分の借り入れ履歴なども確認し、信用スコアの高さを把握する必要があります。複数のカードローンを比較できるサイトを活用すると、効率的に情報を集められますが、最終的な選択は自分で行ってください。
低金利のカードローンを選ぶと返済の負担が軽減され、生活の改善につながります。
繰上返済で利息を減らす

繰上返済は、カードローンの利息を減らす方法です。借入金を返済期間よりも早く返済すると、支払う利息の総額を大幅に削減できます。繰上返済には、一部繰上返済と全額繰上返済の2種類があります。一部繰上返済では、返済期間の短縮または月々の返済額の減額が可能です。
2種類のどちらを選んでも、総支払額を減らせるメリットがあります。繰上返済のタイミングは早いほど効果が高いものの、毎月の返済日直前やボーナス時期などがおすすめです。繰上返済には手数料がかかる場合もあるので注意しましょう。繰上返済を検討する際は、契約内容や手数料を確認してください。
繰上返済後も計画的に返済を続ける必要があるため、無理のない範囲で繰上返済を活用し、カードローンの負担を軽減しましょう。
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無利息期間を活用する
無利息期間を活用すると、カードローンの金利を抑えられます。多くのカードローン会社では、新規契約時に30日間程度の無利息サービスを提供しています。期間中は利息がかからないため、借入額の全額を元金の返済に充当可能です。無利息期間内に返済を完了させれば、実質的に無料で借入ができます。
無利息期間内での返済計画を立てれば、複数のカードローンの無利息期間の組み合わせもできます。無利息期間は借入額や返済方法によって異なるので、無利息期間の条件や制限事項を事前に確認しましょう。無利息期間が終了すると通常の金利が適用されます。
無利息期間を上手に活用すると、金利負担を大幅に軽減できますが、借入自体は慎重に行ってください。
【会社別】カードローンの金利の特徴

カードローンの金利の特徴を、以下の会社別に紹介します。
- 銀行系カードローン
- 消費者金融系カードローン
- 信販系カードローン
銀行系カードローン
銀行系カードローンは、大手銀行が提供する借入サービスです。一般的に金利が低めで、年利3〜14%程度ですが、年収や勤続年数などの審査が厳しい傾向があります。銀行系カードローンは借入限度額が高く、数百〜1,000万円程度です。
以下の特徴もあります。
- 信用力の高い顧客に向いている
- 担保や保証人が不要な場合が多い
- インターネットや電話での申し込みができる
- ATMでの借入・返済ができる
- 返済期間が長めに設定されている
- 銀行口座との連携で自動返済ができる
総量規制の対象外となる場合があるため、借入額の制限が緩和される可能性が高いと言えます。銀行系カードローンは、銀行の信用を求める人におすすめです。即日融資は難しい場合が多いため、急な資金調達には向いていません。
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消費者金融系カードローン

消費者金融系カードローンは、金利や借入限度額が高い点が特徴です。一般的に年利18%前後の金利設定が多く見られます。主要な企業はプロミスやアコム、SMBCモビットなどがあります。審査基準が緩やかで、即日融資が可能な場合が多いため、急な出費が必要なときにおすすめです。
以下のサービスも、消費者金融系カードローンの特徴です。
- 24時間365日対応している
- 無人契約機での契約ができる
- コンビニATMでの返済ができる
- Webだけで申し込みができる
初回借入時には金利優遇キャンペーンを実施している場合もあるため、お得に利用できる可能性があります。総量規制の対象となるので、借り過ぎには注意が必要です。信用情報機関への照会と登録が行われるため、返済状況によっては今後の借入に影響が出る可能性があります。
各社によって金利や条件が異なるので、必ず比較検討しましょう。
信販系カードローン
信販系カードローンは、百貨店やスーパーなどと提携したクレジットカード会社が提供するサービスです。金利は銀行系カードローンより高めですが、消費者金融系より低めに設定されています。信販系カードローンの金利は7.8〜18.0%程度です。信販の大手はオリコやセディナ、ジャックスなどです。
信販系カードローンには、クレジットカードのポイントが貯まるサービスがあります。既存顧客向けの優遇金利プランも用意されています。返済方法は、リボ払いや分割払いなどから選択可能です。信用情報機関への登録が必須のため、返済能力を超えた借入は避けましょう。
カードローンを利用する際の注意点

カードローンを利用する際の注意点を以下に紹介します。
- 正しい金利を確認する
- 金利と返済額のバランスを考える
- 遅延損害金の発生に注意する
正しい金利を確認する
カードローンを利用する際は、契約前に必ず金利の詳細を把握しましょう。正確な金利情報を得る方法は、以下のとおりです。
- 契約書や利用規約を熟読する
- カード会社のWebサイトで最新情報を確認する
- 電話やメールで直接問い合わせる
金利に関しては、変動条件や適用期間、実質年率・表示金利の違いなども理解しましょう。特別金利やキャンペーンの適用条件も確認してください。自身の信用スコアや借入額によって金利が変わる可能性もあるため、個別の確認が必要です。1社に決めず、複数のカードローンの金利を比較してください。
金利の計算方法や利息の発生タイミング、金利以外の手数料、諸費用も合わせて確認しましょう。
金利と返済額のバランスを考える

低金利のローンを選んでも、返済期間が長くなれば総支払額が増えてしまいます。高金利のローンでも短期間で返済すれば、総支払額を抑えられる可能性があります。返済プランを立てる際は毎月の返済額や返済期間、自分の収入、生活状況などのバランスを考慮しましょう。
返済シミュレーションを活用すると、自分に合ったプランを見つけやすくなります。金利以外にも、手数料や保証料などを含めた総コストを比較してください。自分の状況に合わせて、最適なバランスを見つける必要があります。
遅延損害金の発生に注意する
遅延損害金とは、カードローンの返済が遅れたときに課される追加費用のことです。遅延損害金は、元金と利息の両方に対して課されるため、返済が遅れれば遅れるほど支払う金額が膨らんでいきます。カードローンを利用する際は支払期日を厳守しましょう。
支払いが困難な状況に陥った場合は、早めにカード会社に相談してください。状況によっては返済計画の見直しや分割払いへの変更などの対応が可能です。
まとめ

カードローンの金利は借入額に対する利息であり、法律で上限が決められています。ただし、会社や契約者によって条件が異なるので注意が必要です。利用する際は正確な金利を確認し、返済額とのバランスを考えましょう。遅延損害金の発生にも注意が必要です。
金利の仕組みを理解すれば、カードローンをより有利に利用できます。借入の際は、自身の経済状況をよく考え、計画的に返済しましょう。
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