カードローンの繰り上げ返済は本当にお得?しないほうがいいケースを解説

カードローンの繰り上げ返済は本当にお得?しないほうがいいケースを解説

カードローンの返済に悩み、繰り上げ返済をすべきかどうか迷う人は多くいます。繰り上げ返済で借入額を減らすことは一般的には良いとされていますが、適さない状況もあるため注意が必要です。この記事では、カードローンの繰り上げ返済をしないほうがいい場合と、したほうがいいケースについて解説します。

記事を読めば、自分の状況に合わせた最適な返済方法の選択が可能です。カードローンの繰り上げ返済をすべきかどうかは、個人の経済状況によって異なります。毎月の家計や手元資金の状況を見極め、最適な判断をしましょう。

カードローンの繰り上げ返済の基礎知識

カードローンの繰り上げ返済の基礎知識として、以下の点を解説します。

  • 繰り上げ返済の仕組み
  • 約定返済との違い
  • 繰り上げ返済の流れ

繰り上げ返済の仕組み

繰り上げ返済とは、借入残高の一部または全額を予定より早く返済する方法です。繰り上げ返済をすると、返済回数や毎月の返済額を減らせます。利息負担が減り、結果的に総返済額も少なくなります。経済的な負担の軽減に加え、信用スコアが改善される点もメリットです。

繰り上げ返済を行う際は、金融機関への申請が必要です。申請には手数料が発生する場合もあります。申請後、返済額や期間が再計算されます。一度繰り上げ返済した資金は再度の借入ができない場合が多いため、慎重に検討してから決定しましょう。

約定返済との違い

約定返済と繰り上げ返済の違いは、以下のとおりです。

約定返済繰り上げ返済
返済タイミング毎月決まった日に一定額を返済任意のタイミングで追加の返済が可能
返済額固定額自由に設定可能
延滞リスク延滞金が発生リスクなし
手続き方法自動引き落とし手動で手続きが必要

約定返済のメリットは、毎月の返済額が予測できる点です。繰り上げ返済は任意のため計画的な返済が難しい一方で、設定によっては借入残高を早く減らせるメリットがあります。

繰り上げ返済の流れ

繰り上げ返済の流れは、以下のとおりです。

  1. 返済額を決める
  2. 金融機関に連絡する
  3. 必要書類を準備する
  4. 書類を提出する
  5. 返済日を確認する
  6. 返済資金を用意する
  7. 返済完了を確認する

返済額を決めたら、利用している金融機関に連絡し、指示された必要書類を提出します。繰り上げ返済日に、指定口座へ返済資金を振り込みます。返済完了後は返済後の残高と今後の返済計画を確認し、家計管理に活かしましょう。

カードローンの繰り上げ返済をしないほうがいいと言われる理由

カードローンの繰り上げ返済をしないほうがいいと言われる理由は、以下のとおりです。

  • 生活資金が不足する
  • 手数料が発生する
  • 急な出費へ対応できなくなる

生活資金が不足する

カードローンの繰り上げ返済をすると、生活資金が不足する可能性があります。貯蓄や緊急資金が減り、予期せぬ出費への対応ができなくなるリスクもあります。家計が苦しくなった結果、繰り上げ返済後に再びローンを組む自体になれば本末転倒です。繰り上げ返済を決める際は、経済状況をよく確認しましょう。

手数料が発生する

カードローンの繰り上げ返済には、数千円程度の手数料が発生する場合があります。少額の返済では、節約効果が少ない可能性もあります。手数料不要やオンライン手続きに限り無料の金融機関もあるため、事前の確認が大切です。事前に手数料を確認し、本当に必要かを判断してから繰り上げ返済を行いましょう。

急な出費へ対応できなくなる

生活の中では以下の急な出費が発生することがあり、備えが必要です。

  • 医療費
  • 車や家電の修理費
  • 冠婚葬祭費
  • 子どもの教育費
  • 災害や失業などの緊急事態への対応

急な出費に対応するための資金が不足すると新たな借入が必要になったり、日常生活に支障をきたしたりする恐れがあります。繰り上げ返済をせずに手元に資金を確保しておくことで、生活の安定性を保てる場合もあります。

カードローンの繰り上げ返済をしないほうがいいケース

カードローンの繰り上げ返済をしないほうがいいケースは、以下のとおりです。

  • 収入が不安定な場合
  • 手元資金が不足している場合
  • 低金利が適用されている場合

収入が不安定な場合

収入が不安定な人は、繰り上げ返済により生活費の確保が難しくなる可能性があります。以下の人は、収入が不安定な傾向があります。

  • フリーランスや契約社員
  • 季節や時期で収入変動がある職種
  • 副業や複数の仕事を掛け持ちしている人
  • 業績連動型の給与体系の仕事

収入が安定しない場合、急な出費や収入減少に備えて、貯蓄をしておくことがおすすめです。繰り上げ返済よりも、生活資金や緊急時の備えを優先することが賢明な選択と言えます。

手元資金が不足している場合

手元資金が不足している人は、繰り上げ返済よりも生活に必要な資金の確保を優先しましょう。生活必需品の購入や公共料金の支払いも困難な状況の場合は、家計の見直しが必要です。家計に余裕がない状態は、精神的なストレスの増加や家族関係の亀裂にもつながります。

貯蓄残高が少ない、または全くない場合は貯蓄を増やしていく計画を立ててください。生活に余裕ができた後で、繰り上げ返済を考えるのがおすすめです。

低金利が適用されている場合

低金利が適用されている場合は、繰り上げ返済の効果が限定的になります。他の高金利債務の返済や投資に回したほうが、資金の有効活用が可能です。低金利のローンを維持すれば、将来の金利上昇に備えられます。インフレ時には実質的な借入コストが下がる可能性もあるため、低金利のメリットは最大限活用しましょう。

ただし、低金利でも返済は怠らず、計画的に行っていくことも大切です。
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カードローンの繰り上げ返済をしたほうがいいケース

カードローンの繰り上げ返済をしたほうがいいケースは、以下のとおりです。

  • ボーナスや臨時収入が入ったとき
  • 他の高金利の借入を完済したとき
  • 貯蓄が十分にあるとき

ボーナスや臨時収入が入ったとき

ボーナスや臨時収入が入ったときは、カードローンの繰り上げ返済をすると負債を効果的に減らせます。負債が減ると心理的な負担が軽減され、将来の資金計画が立てやすくなります。金利が上昇する前に借入を減らせる点も、早期返済のメリットです。

返済能力が向上したことを金融機関にアピールできるため、将来の借入れの際に有利になる可能性もあります。ボーナスや臨時収入の全額を返済に充て、生活資金が不足することがないよう注意してください。返済には適度な金額を設定しましょう。余剰資金が出た場合は、貯蓄や投資に回すことも大切です。

他の高金利の借入を完済したとき

複数の借入がある場合は返済優先順位を整理し、効率的な返済計画を立てましょう。高金利の借入を完済すると、毎月の返済額に余裕ができます。余剰分は、カードローンの返済に回してください。他の借入の完済により信用スコアが改善し、カードローンの金利交渉で有利な立場に立てる可能性もあります。
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貯蓄が十分にあるとき

貯蓄が十分にある場合、繰り上げ返済をしても生活に支障をきたす心配がありません。早期に借入総額を減らせば、金利負担が軽減できます。債務がなくなれば、心理的負担も少なくなります。返済後に資金に余裕があれば、他の投資や資産形成への活用も可能です。早期返済は、将来の経済的な自由にもつながります。

カードローンの繰り上げ返済をしない場合のリスク管理

カードローンの繰り上げ返済をしない場合は、以下のリスク管理を心がけましょう。

  • 緊急時の資金を準備する
  • 返済計画を再確認する
  • 金利変動に備える

緊急時の資金を準備する

緊急時の資金を準備することは、カードローンを返済しながら予期せぬ出費に備えるために重要です。3〜6か月分の生活費を貯金として確保してください。緊急時の資金を準備する方法には、以下が挙げられます。

  • 毎月の収入から少しずつ積み立てる
  • 臨時収入や副業の収入を貯蓄に回す
  • 不要な資産を売却して資金を確保する
  • 家族や友人に緊急借入れを相談しておく
  • 公的支援制度や社会福祉サービスの情報を収集する

定期的に緊急時の資金の状況を確認し、必要に応じて更新することも大切です。緊急時に備え、常に安定した資金を確保しておくようにしましょう。

返済計画を再確認する

定期的な返済計画の再確認により、無理のない返済を続けられます。返済額と返済期間を確認し、返済が順調に進んでいるかを吟味します。計画通り返済できていない場合は、原因を探ることも大切です。滞る兆候がある場合は、早めの対策を考えましょう。必要に応じて金融機関に相談し、返済条件の変更も検討できます。

金利変動に備える

変動金利型ローンを利用している場合は、金利上昇のリスクに備える必要があります。具体的な対策は、以下のとおりです。

  • 金利上昇時のシミュレーションをしておく
  • 固定金利への切り替えを検討する
  • 返済額を増やす
  • 家計の支出を見直す
  • 収入増加や副業の可能性を探る

金融機関からの金利変更通知には特に注意を払いましょう。経済情勢や金融政策の動向をチェックすることも大切です。急な金利上昇に対応できない事態に備えて、借り換えオプションを調べておくのも良い方法です。

カードローンの繰り上げ返済に関するよくある質問

カードローンの繰り上げ返済に関するよくある質問として、以下の点を解説します。

  • 繰り上げ返済をすると手数料はかかる?
  • 繰り上げ返済を行うと月々の返済額はどうなる?
  • 繰り上げ返済ができないケースはある?
  • 繰り上げ返済を部分的に行うことは可能?

繰り上げ返済をすると手数料はかかる?

繰り上げ返済を行うと、金融機関によっては手数料が発生することがあります。手数料は契約内容や返済方法によっても異なりますが、数百~数千円程度が目安です。一部のカードローンでは、顧客サービスの一環として無料の場合もあります。

繰り上げ返済を検討する際は、事前に契約書や金融機関の公式サイトを確認し、手数料の有無と金額を把握しましょう。手数料が高額な場合、繰り上げ返済による利息軽減効果が手数料を上回る可能性もあります。手数料の負担が大きい場合は、他の返済方法や資金の使い方を検討するほうが賢明です。

繰り上げ返済を行うと月々の返済額はどうなる?

繰り上げ返済で月々の返済額が減り返済期間が維持される場合と、月々の返済額は変わらず返済期間が短縮される場合があります。どちらの方法が適用されるかは、金融機関や契約条件によって異なります。繰り上げ返済を行う前に、希望する調整方法を金融機関に相談しましょう。

経済状況やライフプランに適した返済計画を選ぶことが、繰り上げ返済を活用するポイントです。

繰り上げ返済ができないケースはある?

状況によっては、繰り上げ返済ができないケースもあります。一部の金融機関では、繰り上げ返済に最低返済額や回数などの条件を設けている場合があります。繰り上げ返済をするためには、まとまった資金も必要です。手元資金が十分に確保できていない状況で無理に繰り上げ返済を行うと、生活が圧迫されるリスクがあります。

高金利の借入れを優先的に返済したほうが総支払額を抑えられる場合もあります。繰り上げ返済を検討する際は可能かどうかだけでなく、実行するタイミングや優先順位も慎重に考慮しましょう。自分の経済状況や他の債務の有無、将来の収支計画を踏まえたうえで、繰り上げ返済が本当に有益か判断してください。

繰り上げ返済を部分的に行うことは可能?

多くの金融機関では、一部返済が可能な仕組みになっています。月々の返済額に加えて余剰資金の範囲内で元金の一部を返済すれば、総利息負担を減らせます。部分的な返済は、毎月の収支に余裕がある場合やボーナス、臨時収入が入った際に効果的な手段です。

メリットは、以下のとおりです。

  • 元金が減少し、利息負担が軽減される
  • 返済総額を抑えられる
  • 返済期間を短縮できる
  • 家計の安定が図れる

一部返済の手続きは銀行窓口やオンラインサービス、ATMなどで行えます。一部返済を実行する際は、手続き方法や手数料の有無について事前に金融機関に確認しておきましょう。

まとめ

カードローンの繰り上げ返済は、慎重に検討する必要があります。生活資金の確保が最優先であり、収入が不安定な場合は控えましょう。手元資金が十分にある場合は、繰り上げ返済が適しています。ボーナスや臨時収入があったとき、他の高金利の借入を完済したときなども、繰り上げ返済の好機です。

繰り上げ返済をしない場合は、緊急時の資金準備が重要です。返済計画を定期的に見直すことで、より効率的な返済ができます。変動金利型ローンを利用している場合は、金利変動リスクにも注意が必要です。自分の状況に合った最適な選択をしましょう。
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